イラスト:Freepik

「養生訓」にみる胃腸が喜ぶ食べ方

貝原益軒が書いた「養生訓」は、「こころとからだの養生」「心身一如」を説いている。

幼少より体の弱かった益軒は、長年にわたって自ら養生法を実践し、85歳まで生きた。

病気になってから医者に行くのではなく、病気にならないように普段の「養生」が大切だと説く。

84歳で書かれた「養生訓」は身体だけでなく心の養生を具体的かつ詳細に説いている。

江戸時代に書かれたものだが、現代にも十分通用する「養生訓」は健康のバイブルである。

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巻第三【飲食上】

 胃腸が喜ぶ食事

胃腸が喜ぶ食事

胃腸の好物とは温かいもの、柔らかいもの、

良く熟したもの、粘らないもの、

薄味で軽いもの、煮たてのもの、

清潔なもの、新鮮なもの、

香りのよいもの、成分のよいもの、

味の偏らないもの。

これらが栄養になる。もちろん食べ過ぎには要注意。

ホウレンソウ10

胃腸が嫌いなもの

胃腸の嫌うものは、生もの、冷たいもの、

堅いもの、粘りの強いもの、

不潔なもの、臭いもの、

生煮えのもの、煮過ぎて香を無くしたもの、

煮てから時間の経ったもの、未熟な果実、

古くなって味がなくなったもの、五味の偏ったもの、

脂肪が多くてくどいもの。

これらは食べない方が良い。

 小食

小食だと、胃腸にゆとりができて元気が循環しやすい。

食べたものを消化しやすいので、飲食したものがすべて身体の栄養になる。

だから、病気になることは少なく身体は強くなる。

一方、大食して満腹すると、元気は循環しにくく消化も悪い。大酒のみで大食する人は間違いなく短命である。

早くやめないといけない。

繰り返しになるが、老人は胃腸が弱いから飲食で体調を崩しやすい。

くれぐれも食べ過ぎはよくない。

用心することだ。

 温かい食べ物の勧め

四季を問わず、老人や子供は温かいものを食べるのがよろしい。

ことに夏期は、若くて元気な人も温かいものを食べること。

生ものや、冷たいものを食べてはいけない。

胃にもたれやすく下痢をしやすいから。

冷水をたくさん飲んではいけない。

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 食あたりには絶食

食あたりをしたときには絶食をする。

あるいは、食事の量を半分ないし三分の二に減らす。

鳥や魚の肉と干物、油っこいもの、

粘りの強いもの、堅いもの、

餅や団子、菓子類などを食べてはいけない。

食あたりの人は二、三日絶食しても、それほど害にはならない。

 肉類は控えめに

日本人の胃腸は弱いので、いろいろな獣の肉をたくさん食べるのは体に良くない。

イカやタコなども消化に悪いので多く食べないこと。

肉でも野菜でも大きく切ったものや丸煮にしたものは、気を塞ぐのでよくない。

 野菜の乾物

胃腸の弱く、生野菜を避けている人は干した野菜を煮て食べること。

冬、大根を薄く切って天日に干して、切り干し大根を作る。

レンコン、ゴボウ、山芋、うどの根などは薄く切って煮た後で干す。

椎茸、松露、きのこ類も干した方が良い。

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参考文献:「養生訓」貝原益軒著

東京大学名誉教授 木村正三郎解説

やずや編集部 訳