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「養生訓」にみる湯治のしかた

貝原益軒が書いた「養生訓」は、「こころとからだの養生」「心身一如」を説いている。

病気になってから医者に行くのではなく、病気にならないように普段の「養生」が大切だと説く。

江戸時代に書かれたものだが、現代にも十分通用する「養生訓」は健康のバイブルである。

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巻第五【五官】

 湯治について

湯治の効果が高いのは外傷。

打ち身、落馬、打撲傷、

疥癬(かいせん)などの皮膚病、

刀傷、腫物の頑固なものなどにはよく効く。

中風、筋の引きつり、痙攣、

手足のしびれ、麻痺などにもよく効く。

内臓の病気には、湯治はよくない。

しかし、鬱病、食欲不振、冷え性など、気が循環しないで起きる病気には、温泉で体を温めることが効果的な場合もある。

外傷のように目に見えて効くわけではないので、軽く入るのが良い。

入浴しても変わらない病気の人は、入らない方が良い。

入浴が大きな害になる病気もある。

発汗症、心身の衰弱、熱病などの場合は入浴してはいけない。

湯治に向かず、 ほかの病気を併発して死んだ人もいるので、注意が必要である。

入浴はどんな病人でも、一日三回まで。

衰弱した人なら、一回か二回。

丈夫な人でも、湯につかって身体を温めすぎてはいけない。

湯船の端に腰かけて、湯を身体にかけるくらいでよい。

逗留するのは七日か十四日がよく、これを俗に一廻、二廻という。

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 入浴の効能

下痢や消化不良、腹痛などの時は、湯船に浸かって身体を温めると、気が巡って治る。

病気の軽いうちなら、薬を飲むより効果がある。

 食事と入浴

空腹時に入浴しないこと。

また、満腹の時に洗髪しないこと。

 入浴の頻度

入浴は何度もしてはいけない。

毛穴が開き汗が出て、気が滅入るからである。

昔の人は十日に一度くらいがいいと言っていた。

少しの湯で、短い時間入浴するのが良い。

湯が浅ければ身体を温め過ぎることもないので、気を減らさない。

深いお湯に長時間入るのは避ける。

また、熱い湯を肩や背中にたくさんかけるのもよくない。

 

参考文献:「養生訓」貝原益軒著

東京大学名誉教授 木村正三郎解説

やずや編集部 訳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「養生訓」貝原益軒著

東京大学名誉教授 木村正三郎解説

やずや編集部 訳